この度、東北キャンプ場ガイドより、印刷書籍から電子書籍のe-BOOKへ切り替えたわけですが、2003年に出した北海道版同様の書籍にして欲しいという要望がたくさん届いています。これは大変うれしいかぎりのご要望なのですが、出したくても出せないという事情があり、泣く泣くe-BOOK版となった次第です。それでも印刷物にはない特徴や、比較にならない情報量の多さなどもあり、使い方次第で重宝がられる場面もあります。現在はまだ電子書籍が成熟していない時期でもあり、今後どの方向へ進むのか、もしくは後退するのか、その辺のことはわかりませんが、しばらく見守っていただきたいと思います。では、印刷書籍が出せない理由は以下の取りです。
- 取得した情報量が膨大になったこと・・・2003年の北海道版ですら2冊構成となっていますが、現在取得している情報を同様に印刷書籍化すると、北海道版で4冊分、東北版で6冊分となります。印刷版が欲しいという要望の多くは、ツーリングに出かける際に「持っていけないのが不便」というものですが、これだけの本を実際に持ち運ぶのは無理であると思います。本の厚さを調整するために内容を削ってしまうと、巷にあるガイドブックと変わりなくなります。それでは内容もつまらなくなり、旅風本来の意味が失われてしまうでしょう。
- そもそも印刷代が捻出できません・・・2003年の北海道版は取材経費・編集経費・印刷経費を合わせて、販売した部数で単純に損益を出しますと、約800万円の赤字となります。今後、北海道版と東北版を継続して書籍化すると約2,000万円の赤字が出る計算となります。大半が人件費と印刷経費です。なぜこのような莫大な赤字になるかというと、販売部数が非常に少ないからです。本は利益を出すためには流通に載せて書店で販売しなければなりません。ところが流通に出すにはそれだけの部数を印刷しなければなりませんし、中間業者に利益も削られます。あくまでも個人の趣味の延長なのでそのような大金はないということなのです。
- もっと詳しく計算すると・・・2003年の北海道版相当の本で、今度はご要望の多かったフルカラーで1,000冊作ると200万円ちょっと必要です。製造原価は1冊2,000円です。これを北海道・東北合わせて10種類作ると2,000万円ちょっと必要です。編集するための経費は人件費として2名で2年分の給料が必要です。一人の年収が300万円と低く見積もります。2名で2年分なので1200万円必要です。製造原価とプラスすると3,200万円です。これを印刷する総部数1万部で割ると1冊3200円の本となり、北海道全域で6200円、東北全域で19,200円の本となります。いや〜誰が買ってくれるのでしょうか?おっと取材経費は入ってませんね〜〜〜(汗)
- では流通に乗せましょう!・・・そうすれば大量生産の効果が出て安く販売できて、利幅も多くなり良いのでは!と考えますが、最大の難関は流通経費と印刷代です。まず印刷代ですが、1000冊で200万円です。流通で利益が出せるのは2万部以上必要といわれています。で、印刷代は?見積もりは出してませんが1,000万円を下ることはないでしょう。さて、流通経費ですが、本屋さんまでの配本は専門の業者があります。そこに支払う経費は3割ちょっとのようです。1冊1,500円で2万部販売した場合、売り上げは3,000万円。流通経費は3割としても残るのが2,100万円。本屋さんの利益は2割としましょう。さらに、ここら印刷経費を1,000万円引きます。すると単純ですが500万円の粗利です。これを10種類出すと5千万円の粗利!やった〜大金持ち!〜〜〜。でも最初の印刷経費も現金で1億円必要です。流通業者から売上金が入るのも6ヶ月から1年後です。粗利も2万部完売した場合の話。サマージャンボが当たれば真剣に考えます・・・・
と、いうことで、やはり個人レベルで出版を続けるのは夢物語だというのがご理解いただけたでしょうか。所詮自費出版はそう滅多に出せるものではないということです。2003年の北海道版は唯一の印刷書籍。私たち二人はこの本を墓場まで大事に持っていこうネと、常日頃話しています。2冊の本も国会図書館に納本しました。自分たちが死んでも本はほぼ永遠に残るのです。ですから、もう無理はしないでe-BOOKで行こう。そう話し合い結論したのです。e-BOOKでも良いから読みます。そういって手に入れていただける人だけに渡ればいい。自費出版とはそのレベルと考えています。
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